更新日 2023/09/08

ロジカルシンキングとは?

ロジカルシンキング(論理的思考)とは、筋道立てて考える思考法のことです。広義では筋道立てて考える思考法と、それらを活かして思考とコミュニケーションを円滑にする方法、ということになります。
詳細は「ロジカルシンキングとは?」をご参照ください。

できない4つの理由

ロジカルシンキングを習得する上でベースとなる能力。それらを小学生のうちに養っておかないと、大人になってからもの凄く苦労します。「頑張っても頑張ってもロジカルシンキングがうまくできない、苦手、つらい」とならない為に、なっている方の問題解決の為に、光明を見いだす「4つの理由」をご紹介します。

① 因果

ロジカルシンキングの狭義「筋道立てて考える思考法」を実践するためには、因果(原と結)を把握できる必要があります。例えば下記の図のように、「お店が混んでいた」から「料理の提供が遅れた」、「料理の提供が遅れた」から「お客様から怒られた」という因果を把握することは、ロジカルシンキングが得意な方には容易です。

しかし、ロジカルシンキングが苦手な方に「お客様から怒られた原因を分析してください」と伝えても、このような結果にはなりません。下記の図のように、原因と結果が逆転してしまう現象が起きます。

問題はこの「因果の逆転」にまったく気づかない、ということです。「AI vs. 教科書が読めない子どもたち」という本がベストセラーになりましたが、ロジカルシンキングができない方は、まさにこの「教科書が読めない子どもたち」が大人になった状態です。ロジカルシンキングのスキルを教える前に、まずは「教科書(文章)を正しく読む」ことから練習をしていきましょう。

練習の方法としては、正しい因果が記されている教科書(文章)を読み「ポイントを書きだして、矢印でつなげる」ことがオススメです。まずは短くて簡潔な教科書(文章)からはじめ、徐々に長く複雑な教科書(文章)にチャレンジしていきましょう。その際、親や上司は「できていないことの指摘は少なく、できていることを沢山褒める」ことを意識してください。

② 言葉

人は「言葉」を使って考えます。この「言葉」の使い方が雑だと、うまく考えることはできません。実際にどんなことが起きているかを見てみましょう。下記の図がロジカルシンキングが苦手な方によく起きている現象です。

「料理の提供が低い」とは、どういうことでしょうか?味のレベルが低いのか?コスパが悪いのか?何を指しているのかよくわかりません。本当は「料理の提供が遅い」と言いたかったのに、それを表現できない。できていないことに気づかない。という問題が起こります。

日本は暗記型教育で、教師や親は子どもが「疑問をもつ」ことに向き合わない傾向が強いです。また、言葉に対するフィードバックは「誤りの指摘」がほとんどで、「良い言葉を褒める」ことは少ない。その結果「疑問をもつ」や「良い言葉をえらぶ」ことへの成功体験がものすごく少なく、積極的にそのような行為を行わなくなっていくと推測します。

ではそんな状況をどうやって打開するか?
親や上司のみなさんは、子どもや部下の「良い言葉を褒める」ことを徹底してください。「誤りの指摘:良い言葉を褒める=1:2」の割合を意識するとよいでしょう。

そんな上司はいない!というあなたは、社外でもいいので「良い言葉を褒める」ことが得意な人の近くでロジカルシンキングを鍛えるとよいでしょう。

③ 質問

上記でも触れましたが、ロジカルシンキングが苦手な方は「疑問をもつ」ことが苦手です。しかし、自分の使っている言葉や思考に対して「疑問をもたない」のでは、良い思考をしていくことはできません。そこで「疑問をもつ」ことへの「成功体験」を積み、積極的に疑問をもてるような姿を目指していきましょう。

親や上司へのお願い。相手のメンタルや状況をよく把握した上で、心地よく思考を前に進めることができる「質問」を投げかけてあげてください。※相手を責めたり、問い立てるようなような詰問は絶対NGです。

ロジカルシンキングが苦手な方へ。良い質問をもらったら「こういう場面では、こういう質問が効果的なんだな~」と良い質問リストを作っていきましょう。あなたを支えてくれる宝物になります。

良い質問を投げかけてくれる相手が近くにいない!というあなたへ。課題解決の場面に合わせた「良い質問リスト」をまとめた本を書きました。もしよかったらこの本を読んで、付属している「質問カード」を使いながら「質問≒疑問」の成功体験を積んでいってください。

書籍:56の質問カードで身につくプロの課題解決力(かんき出版)

★書籍の中から天平が厳選した【6つの質問】をご紹介!

この質問を自分のものにできれば、あなたの課題解決力は爆上がり!ロジカルシンキングをする上で欠かせないクリティカルシンキング(批判的思考)も鍛えることができるのでオススメです!! ※書籍のなかでは癖の強い6人のキャラクターが質問を投げかけてくれます。以下の質問もキャラクターに応じて言い回しの癖があります。ご注意ください(笑)

1:見てみぬふりをして避けてきた課題はないの?

課題設定=考えることがらを決める際に有効。重要なことだとわかっていても「見てみぬふり」をしてきた課題ってありますよね。この際に向きあってみませんか?

2:それは事実でしょうか?それともあなたの解釈でしょうか?

現状把握をする際に有効。できるかぎり事実を洗いだすことを意識しましょう。ただ、解釈を出してはダメ!ということではありません。事実と解釈を分けておくことが重要です。

3:問題の原因が複数あるということはある?

原因分析の際に有効。問題の原因を1つ見つけると「これだ!よし解決策を考えよう!」と突き進んでしまいがち。でも他にも原因があるかもしれません。落ち着いて原因が複数ある可能性を考えましょう。

4:その未来を想像したらキミはワクワクする?

目標を設定する際に有効。ワクワクしない目標では、どこか中途半端な姿勢で取組むことになります。これでは課題解決まで走り切れないかもしれない。ということで、ワクワクする未来を想像しよう!

5:そこがホントに一番効果的な改善ポイントなんすか?

改善ポイントを選ぶ際に有効。私たちは慣れてるところ、やりやすそうなところを選びがち。でもそれで効果が出るのか?一番効果的な改善ポイントを選ぶために向きあいたい質問です。

6:制約がないとしたらどんな解決策を考えるんだろうな?

解決策を考える際に有効。固定観念をぶっ壊せ!これに尽きます。誰かに配慮したり、ありきたりな解決策ではイマイチかもしれません。一度制約を取っ払って、ベストな解決策を考えてみましょう。

④ 概念

ロジカルシンキングでは、情報をまとめていく中で「つまり、これってこういう事だよね」と総括する、概念を明らかにする、ということが重要になります。「概念」についてはヴィゴツキー(心理学者)の「思考と言語」という本のなかで「概念を覚えるのは小学生から」という記述がとても参考になりましたので、ご紹介します。

未就学児は「植物・花・バラ」という言葉を覚えることはできますが、すべてが横並び。図にあるような「花を咲かせる植物の一種として、バラがある」という概念は習得できません。

小学生になるとこの概念を習得できるのですが、概念の数であるとか、そこからの発展性を養っていけないと、ロジカルシンキングでは苦労するようになりそうです。

「植物バラ」という構造から「動物-〇〇イヌ」も同じ構造じゃないか?と思考していけるようになると、概念化は高いレベルに達しています。このレベルになれば、あらゆる思考のなかで「つまり、これってこういう事だよね」と総括したり、概念を明らかにすることができます。

ロジカルシンキングではこの能力が不足していると「情報を簡潔にまとめる」ことができないため、必ず高めておきたい能力になります。

概念化の能力がいかに重要か?ということは理解できたけど、どうやって鍛えるの?

上記の「植物バラ」のような身の回りにある概念の構造を掴んでいきましょう。インターネットで調べてもいいですし、自力で構造を考えてみるのもよいです。思考ゲームのように、遊びながら鍛えることがオススメです。

以上、ここまでで紹介した「因果、言葉、質問、概念」の4つポイントを意識してトレーニングしていくことで、ロジカルシンキングを習得するベースが整います。時間は掛かりますが、ベースを整えるとロジカルシンキングで学ぶスキルがうまく使えるようになるので、ぜひ身につけてください。

ThinQ Homeでロジカルシンキングを鍛えよう!

このページを書いた天平(てんぺい)が作ったThinQ Homeではロジカルシンキングのベースとなる「因果、言葉、質問、概念」をトレーニングすることもできます? 世界一安全なロジカルシンキングのオンラインスクール!というコンセプトで、ロジカルシンキングが苦手な方でも安心して学び続けられる環境を用意しています。ぜひご活用ください。

 

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