天平株式会社では「サステナブルな人と組織をこの地球へ」というパーパスを立てています。しかし、パーパスと関係ない「売上目標」や「仕組みづくり」という目標を個人に課した場合、パーパスは体現できるでしょうか?
答えは「NO」です。目の前の目標を追い、会社としての数値目標は達成できるかもしれません。しかし、パーパスは体現できない。これでは何のためにパーパスがあるのかわかりません。
それでは、もし仮に「パーパスを体現するために、この数値目標の達成が必要!」という「パーパスに紐づいた会社目標と個人目標」が会社から提示されていたとします。この場合はどうでしょうか?
社員が「高いレベルでパーパスに共感していた場合」は有効です。しかし、実際は「パーパスって何?」「自分はとりあえず働いているだけ」という社員が多いはず。この場合は、せっかく「パーパスに紐づいた会社目標と個人目標」が設定されていたとしても「本気で達成しよう!」という行動にはなりません。これではパーパスは体現できない。
今回は、この問題を解決する「目標管理(成長支援)」の方法をご紹介します。
パーパス経営において重要なことは「会社のパーパスと、個人(社員)のパーパスとの重なりを見出すこと」です。
重要なのでもう一度いいます「重なりを見出すこと」です。
もし重なりがないのであれば、それは共に働くべきではない。ただ、多くの個人(社員)は「パーパス(人生の目標・夢・理想のキャリア、という表現に置き換えています)が明確ではない」ので重なりがあるのかわからない。そこで、まずは個人(社員)のパーパスを探すことから始まります。
先ほどの目標設定シートを書いてもらうと「人生の目標・夢・理想のキャリア」や「大切にしている価値観」は空欄か、1つ2つ書かれるぐらい。それも「ローンの返済」といった夢とは程遠い現実的なもの。これでは本人のモチベーションも上がらず、会社のパーパスとの重なりもない。これまでと何も変わらず「淡々と仕事をする」だけ。でも、最初はこれでいいのです。ここからがスタートです。
このシートは月次の目標までですが、別のシートで週次の目標に落とし、毎週進捗を聞く(達成の支援をする)上司と部下との面談を行います。時間は慣れるまでは1回30分、慣れれば5分~10分。この面談のなかで「人生の目標・夢・理想のキャリアに変化はないか?あらたにこの1週間で気づいたことはないか?」と問い続けます。時には「あの仕事、とても嬉しそうだったけど、**さんの価値観に刺さるものがあった?」と内省を促す質問もします。
この面談を続けていく中で、徐々に個人のパーパス(人生の目標・夢・理想のキャリア)が明確になっていく。そして「会社のパーパスとの重なりはこんなところでありますね。こんなことをやれば会社も**さんも今よりもっと自己実現できる」という部分が見つかるようになります。※重なりがない!とわかるケースもあります。
改めてシートを見てみてください。シートの左側は、個人(社員)のパーパス&コアバリューに当たるものと、それらをベースにした「やりたいこと」が記入されます。シートの右側には、会社のパーパス&コアバリューと、会社から求められている「やるべきこと」が記入されます。この2つを両立させた「チャレンジ目標」が立てられたとき、会社は変わります。
本気で実現したい夢ができたとき、社員の目の色は変わります。今までとは別人のように努力する。その結果、圧倒的に成長する。この記事のタイトルに「パーパスと目標管理(成長支援)」と書いたのは、社員の成長を見たいからです。成長なくしてパーパスの体現はないからです。
以上、いかがでしたでしょうか。パーパスを体現するには、会社としての戦略も重要ですが、個人(社員)の成長も欠かせません。その成長をどのように導くか?この記事が参考になれば幸いです。