自社の「強み」は本当にそれなのか?
「御社の強みは何ですか?」と聞くと、社長から新入社員まで「技術力の高さです」と答える会社がありました。「具体的にはどういうことでしょうか?」と聞くと「高難度の資格保有者が他社より多いです」と答えます。それは1つの事実として「強み」になっているかもしれません。でも、それが本当に「強み」として機能しているのでしょうか?
次にこう聞きました。「顧客から技術力の高さを評価してもらっていますか?」と聞くと「いえ、それは最低限のスキルとして、できて当たり前です。実は他社も同等のスキルを持っていますので…」という答えでした。
私から見てもそうでした。資格保有者数は僅かに多いかもしれない。でもそれは顧客から選ばれる理由になるほどの差ではありません。技術力も競合他社と比較して同等。それでも生き残ってきたのは、他に理由があるのかもしれません。
本当の「強み」は **** だった!
組織では意思決定に時間がかかります。現場で起きた問題を、チームリーダーが吸い取り、部門長に確認を取り、場合によっては社長の確認をとる。現場では「即答できない」のがこの業界の当たり前でした。しかし、この会社は違った。問題が起きると「即、社長に直接相談できるルート」があり、顧客からは「いつも返答が早いですね」と言われていた。
また、早いのは意思決定だけではありませんでした。強力な教育プログラムをつくり、他社では独り立ちまで半年かかるものを、2か月で習得させている。その結果、顧客からは「御社の若手はなんでこんなに優秀なんですか?まだ入社したばかりですよね?うちの新人にも見習ってほしい」と言われる状況に。
他にも様々な事象から、この会社の本当の強みは「組織のスピード」だとわかりました。正直、個人のスピードはそこまで早くない。でも、組織としての意思決定のスピード、教育のスピード、〇〇のスピードなど、あらゆるものが早い。ここが顧客から選ばれる理由となっていたのです。
客観視するために、目を借りろ!
自社を客観視することは容易ではありません。その結果、パーパスを作るときに「自社の強み」がわからず「その社会課題は解決したいけど、うちにはできない」という判断をしようとしたケースがありました。他にも「うちはパーパスが浸透ができている」と思っていたが、実際には「できていなかった」というケースも。
正しい現状把握、そして経営判断をするためには「外からの目」を借りる必要があります。コンサルからアドバイスをもらう、アセスメント(評価)ツールを使うなど、優れた経営者は「外からの目」を上手に使っています。
ちなみに、あるコンサル会社の社長の一言がとても印象的だったので紹介します。「顧客のことはよくわかる。でも自社のこと、自分のことは本当によくわからない。だから自社にも外部のコンサルをつけている」と。
とても優秀な方ですが「客観視」はいくら鍛えても、自社・自分に適応させることは難しいようです。
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