「求職者とパーパスのマッチをどのように見極めたらいいのでしょうか?」という質問をよく頂きます。どうやら「スキルや実績だけでなく、パーパス(またはミッションなど)のマッチが採用において重要だ」とセミナーで話す方が増えたようですが、具体的な方法が示されず、モヤモヤした状態。そこで、この記事では「パーパスマッチの見極め方」をご紹介します。
弊社のパーパス&コアバリュー
パーパスを問うてもマッチしているかどうか見極められない
面接官:弊社のパーパス「サステナブルな人と組織をこの地球へ」に共感していますか?
求職者:はい!共感しています!
面接官:具体的にはどのような部分に共感していますか?聞かせてください。
求職者:(予想してた質問が来た!大丈夫、準備してきたから) 私もイキイキと働き続けられる組織を作りたいです。残念ながら現在はそのような職場ではなく、みんなお金のために我慢しながら働いています。SDGsにも興味があり、ぜひ御社でサステナブルな人づくり、組織づくりに挑戦したいです!
素晴らしいお見本のような回答。さて、この回答は求職者の本心でしょうか?それとも面接用に準備をしてきた心のないセリフでしょうか?真実は求職者にしかわかりません。
もっと突っ込んで「それでは、パーパスを体現するために弊社に入ったら具体的にどのようなチャレンジをしたいとお考えですか?」と聞いてみますか?これはあまりオススメしません。ほとんどの求職者はそこまで考えていません。この質問への明確な回答をもって合否を判断するのであれば、合格する人はかぎりなくゼロに近くなります。
※CXOクラスの採用は例外。
弊社のパーパス&コアバリュー
パーパスマッチは、コアバリューで見極めろ
弊社はパーパスを体現するための核となる価値観(要素)を「コアバリュー」として定義しています。サステナブルな人と組織を地球に行きわたらせるためには、まず「尊重と批判」が欠かせません。今までの経営理念、人、事業、仕組みを最大限に「尊重」した上で、続けるべきか変えるべきか、新旧を比べて判断する。この姿勢がないと不要な反発、改革の妨害を受けます。それでも強制的に変える経営者はいますが「組織内で腐る人=サステナブルでない人」が生まれてしまう。我々はこれを避けるために「尊重と批判」の精神をコアバリューとして定めています。
このように、パーパスを体現するための核となる価値観(要素)をコアバリューとして定義していれば、あとはコアバリューの姿勢を持っているか?これまでどのように発揮してきたか?を見極めていけばよいです。
(例)注文書がいまだに「紙」の顧客企業。非効率かつ資源のムダであることは明らかです。この状況であなたはどの選択肢を取りますか?理由と共に聞かせてください。
①自分と同意見の社長を説得し、トップダウンで変えてもらう。
②現場の意見を尊重し、「紙」のまま変えない。
③これまでのやり方を尊重しつつ、あるべき姿を議論する。
※ここで重要なのは「どの選択肢を選んだか?」ではなく「なぜその選択肢を選んだか?」です。その理由に「尊重と批判」が色濃く反映されていればOKです。
パーパスとバリューがリンクしていない例
パーパスとコアバリューがリンクしていないと成り立たない
先ほど説明した方法は「パーパスとコアバリューがリンクしている場合」のみ成立します。リンクしていない場合は成立しません。例として載せた上記の画像にある「スピード・スマイル・誠実」はよくバリューや行動指針として使われているものです。これらを企業として大切にするのは素晴らしいことですが、これができていてもパーパスが体現される訳ではありません。
世の中を見渡すと「パーパス、コアバリュー」や「ミッション、ビジョン、バリュー」を定めている企業は沢山あります。しかし、コアバリュー(またはバリュー)と上位の概念(パーパスやミッション)がリンクしているケースはとても少ないのが現状。みなさんの会社も、もしかするとリンクしていないかもしれません。その場合は、まずはここから手を着けるとよいでしょう。
一定の豊かさを得た現代では、企業も働き手も「能力とその対価だけの関係」ではなく「お互いの夢やパーパスを実現できる関係」を求めている。この記事が「お互いの夢やパーパスを実現できる関係」の構築につながり、イキイキと働ける人と、そんな人が沢山いる組織が増えたら嬉しい限りです。